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研究科長あいさつ

経済學研究科長 <br>平出 尚道[Hiraide Naomichi]

経済學研究科長
平出 尚道[Hiraide Naomichi]

研究科長あいさつ

大學院生活3年目の夏休み、私はアメリカ南部のさほど大きくない都市で過ごしました。木賃宿に泊まり、灼熱地獄の下で頭がふらふらしながらも、歩いて30分以上かけて大學の貴重図書室に通いました。貴重図書室の文獻資料は必ずしも閲覧できるとは限りませんが、幸いにも探していた19世紀初頭のその土地のディレクトリーは、自分で寫すことができました(私の専門は経済史です)。寫すと言ってもコピー機を使うことは認められませんから、鉛筆でひたすら時間を掛けて書き寫します。そういえば、司書の人が慌ててやってきてボールペンは使うなと怒鳴られたことがありました。私が鉛筆であることを説明すると、モダンだから間違えたと言われたのを覚えています。1980年代の日本製のシャープペンシルでした。さて、住所氏名録には職業が記載されているので、その分析によって社會的分業のあり方が分かり地域の経済構造を解明する重要な手掛かりとなります。19世紀初頭においてその地域は連邦への影響力があり、アメリカ経済政策史の先行研究において多くの言及がなされていました。けれども私が得た結論は、そのすべてをひっくり返すものです。後に、そのことを纏めた論文によって初任校でのポストを得ることになりました。
しかし、大學院時代は大変なこともあったが今から考えると充実した貴重な時間だったというようなクリーシェを言うつもりは全くありません。むしろ、何者でもない自分に対する不安の中、彷徨していた時期でした。ただ、私は恵まれていました。先行研究を踏まえた上で、引きずられることなく研究できたのは、指導してくださった先生方が懐が深い非常に優れた研究者であったからです。
以上のことは私の個人的経験ですから、大學院時代に順調に研究を進展させ無駄のない日々を送った人も多いと思います。そして、そういう院生時代は最も望ましいことでしょう。とはいっても、そんなに完璧な人ばかりではないはずです。行き詰ってしまうのは珍しくないでしょう。そんな時は何よりも視野を広げることが肝要です。

青山學院大學経済學研究科の教員の研究テーマは多様です。このホームページ等で確認してみてください。それから付け加えると、本研究科には教員が行っている研究の縮小再生産を嫌う土壌もあります。

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